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PA用のオーディオ 作成日:2012/04/02、最終改訂日:2012/04/04

§PA-31:EPQ2000

ベリンガー(BEHRINGER)のパワーアンプ、EPQ2000です。

パワーアンプを使う時には、
 小さな出力のパワーアンプを、ボリューム最大付近で使うのが良い
という説と
 大きな出力のパワーアンプを、ゆとりをもって使う方が良い
という説がある。

果たして、どちらが方が、良い音が出るのだろうか?


EPQ2000は、(家庭用で使う際には、それなりの)大出力(500W×2/8Ω時)のアンプの中で、「ともかく安い値段で買える」アンプを探すと、真っ先にピックアップされるアンプ。 (500Wクラスでは、選択肢は限られてくる)

電源トランスを使わない「スイッチング電源」であり、うるさい冷却ファンが付いている。 だけど、パワーが大きく、値段が安い!

これって、音が良いのだろうか? 悪いのであろうか?
YAHAMA の安価なAVアンプ(DSP-AX420)と比べてみた。

CSP10とか、CSP15とか、繋いでみても、違いが全然わからない。
DS−503に繋いでみても、違いがわからない。

聞き比べするときには、もっと、高級なスピーカー、そして「良い耳」と「精神集中力」が必要なのかもしれない。

安価なAVアンプ(小出力、トランス電源)と、安価なPAアンプ(大出力、スイッチング電源)を比べた場合、(高級アンプに対して)「まったく正反対の方向に音が劣化するはず」なので、安物同士を聞き比べたときには、明確に違いが出てきそうなもの。しかしながら、現実は、両者の違いを感じない(耳が悪い?)。

例え、安物AVアンプと、安物PAアンプを比べて、大きな違いがあったとしても、そんな安物同士を聞き比べるだけの価値があるかどうか?....というと、それも疑問。
難しいことを考えずに、安物同士、いろいろいじくって「楽しく遊ぶ」のが一番だと思います。




■タイプ:ステレオパワーアンプ
■ステレオ出力(4ohms):700W(RMS), 1000W(PEAK)
■ステレオ出力(8ohms):500W(RMS), 600W(PEAK)
■ブリッジ出力(8ohms):1400W(RMS), 2000W(PEAK)
■周波数特性:20Hz-20kHz, +0/-1dB
□ダンピングファクター:>220@8Ω
□出力回路の種類:class H(2段階)
■入力端子:バランスXLR, 1/4"TRS, RCA
■出力端子:バナナ、スピコン
■消費電力:2200W
■寸法:94H×483W×269mm、2U
■重量:7kg



EPQ2000の音量ボリューム調整は、20段階になっている。
ところが、「−∞」だけでなく、(2)の位置(=GAIN:8dB)までは、音が出ない。

(3)の位置では、「本当に小さな音」が出る。
実際に使えるのは、(4)の位置(=GAIN:14dB)よりも右側の位置になります。

ところが、家庭用で使う場合、(4)の位置でも、音が大きすぎる場合が多く、(3)と(4)の間で音量調整がしたいところ。 だけど、それが出来ない。

従って、家庭用で、このEPQ2000を使いたい場合は、音量調整のためのミキサーが必要になってきます。
(本来のPA用途なら,常時ボリューム(4)以上で使うので、問題ないハズ)
そこまでして、家庭用に、こんなアンプを使う人が何人いるか??? まぁ、趣味というか遊びですから、こういうのもアリだと思います。

−*−

ここで、EPQ2000の消費電力を計ってみました。

マニュアルには、「消費電力:2200W」と書いてある。
おそらく、4Ω負荷でのピーク時は、それっくらいだと思いますが、普段は、そんなに,電気を食うはずが無い。

ということで、ワットチェッカーを使って、実際に計ってみました。

安定した音量を保つため、パソコンからピンクノイズを出して、エンハンサーSX3040で低音域をブーストさせたものを、EPQ2000に入力します。
ですから、この数値は、「低音成分が多い音」での消費電力になります。

EPQ2000の音量ツマミは、最大にして、入力する際の音量を、ミキサー(1002FX)で調整しています。


まずは、無負荷時(スピーカーを繋がない時)の消費電力(単位:Watt)


無音の時は、48〜50ワット くらいでした。
パソコンからピンクのノイズ出して、SX3040で低音域をブーストして、0dB付近の音を出した場合、68ワットくらいでした。

スピーカーに電流を流さなくても、ある程度、電気を食うみたいです。


次に、CSP−10を繋ぎ(8Ω負荷)、それなりの音を出したときの値です。


EPQ2000の「−10dB」のランプが点灯している状態で、108ワットでした。
電源コードに流れる電流は、1.79アンペア。
力率(cosθ)は、0.61%。

交流負荷の場合、
   消費電力(W)=電圧(約100V)×電流(A)×力率(%)
になります。
白熱電球とか(抵抗負荷)だと、力率は100%なのですが、それ以外(誘導負荷・容量負荷)だと、力率が100%にならず、消費電力1kWだと10A以上の電流が流れていることになります。 大音量の時は、注意が必要ですね。


比較的大音量の時は、どうでしょうか? 同じく、CSP10の8Ω負荷


EPQ2000の「0dB」のランプが常時点灯している状態では、消費電力250〜300ワットあたりで、数値が変動していました。

これ以上の音量(LIMITランプの常時点灯)で、消費電力の限界に挑戦する方法もあるけど、さすがにスピーカーがヤバそうなので、これっくらいにしておきます。


いずれにしても、カタログに表記してある「消費電力:2200W」とは、かなりかけ離れた数値になってます。
スピーカーを、各チャンネル2台つづ繋げば(パラレル接続)、もっと消費電力は上がると思いますが、面倒なので、パスします。


《  「比較的大音量」の実験  》


 この実験は、自宅の部屋で、夜中に行っています。

深夜に、500W×2のアンプで大容量で、スピーカーを鳴らすには、どうすれば良いか?

スピーカーを下向きにして、布団の上に置く。
そして、低音をブーストして、大音量で鳴らす。

スピーカーと布団は、震動するけど、音は大きくは聞こえない。
2台のスピーカーの間に寝っ転がると、気持ちが良いです。



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