PA用のオーディオ |
作成日:2012/04/05、最終改訂日:2012/04/05 |
§PA-41:DEQ2496
ベリンガー(BEHRINGER)のイコライザー、DEQ2496です。
いろんな機能が1台にまとめられた、多機能デジタル・イコライザーです。
DEQ2496は、型番の意味が、非常にわかりやすい。
「D」はデジタル、「EQ」はイコライザー、「24」は24ビット、「96」は96kHz。
グラフィック・イコライザ(GEQ)、パラメトリック・イコライザ(PEQ)、コンプレッサー、リミッター、エクスパンダー、ノイズゲートの他、測定用マイクを使った自動周波数補正、AD変換・DA変換などなど。。。。
持っているだけで楽しくなる、オーディオで遊ぶときの「王様的な存在」とも言える機材と言えそうです。
(残念ながら、エフェクター機能とか、エンハンサー機能は付いていません)
■タイプ:デジタルイコライザー、フィードバックデストロイヤー、アナライザー
■寸法:48.2×4.5×21.7cm、1U ■重量:2.0kg
□EQ/RTA/ダイナミックアプリケーション用超高解像デジタル24bit96kHzプロセッサー
□31バンドグラフィックイコライザー
□10バンドパラメトリックイコライザー
□フィードバックデストロイヤー
□各ステレオチャンネルに3つのダイナミックイコライザー
□ピークリミッター搭載のコンプレッサー/エキスパンダー機能
□ステレオイメージャー、ステレオディレイ
□EQ機能付高解像度61バンド・リアルタイムFFTアナライザー
■入力端子:XLR×2、AES/EBU、S/PDIF、MIDI ■出力端子:XLR×2、AES/EBU、S/PDIF、MIDI
■AES/EBUデジタル入出力:XLR×1 ■測定マイク用XLR入力端子、ファンタム+15V ■ワードクロックBNC端子 ■MIDI IN、OUT、THRU端子
−*−
これを使って、なんの実験をやろうかな?
あまり面白い実験が、思い浮かばない。
とりあえず、「AUTO EQ」のテストでも、やってみましょう。
この
「AUTO EQ」というのは、
スピーカーから、ピンクノイズを出して、その音を測定用マイク(ECM8000)で拾う。
そして、マイクで拾った音の周波数特性がフラットになるように、自動でイコライザーを調整する。 スピーカーと部屋の音場補正ですね。
耳に聞こえてくる音は、スピーカーと部屋によって、大きく異なってくるから、耳に聞こえてくる音の周波数特性を「フラット」にして、「原音に近い、フラットな音」を楽しみましょう・・・・ということでしょうか。 (綺麗な言葉で言えば・・・ですが)
測定が始まると、スピーカーから、ピンクノイズ(それなりに大きな音)が出てきます。
ピンクノイズの音が少しつづ変化しながら、「適切なイコライジング補正」が設定されます。
「AUTO EQ」の実験に使ったスピーカーは、クラシックプロの CSP10(10インチのSRスピーカー)です。(上の写真は、部屋ではなく、物置で撮影)
テストする部屋は「畳」の部屋。
スピーカーは、畳の上にべた置きにしています。
部屋の真ん中に、布団が敷いてあり、布団の反対側で計測してます。
(布団をあげるのが、面倒くさいから)
まずは(A) 「CSP10・ノーマル状態」での測定
こんな感じになりました。
低域の50Hzくらいまでは、ちゃんと音にならないので,補正値がいっぱい一杯になってます。
250Hzから1.5KHzくらいまでは、かなりフラットな特性になってます。
1.5Khzよりも高音域は、少し強い音になっているようで、音を抑えるような補正になりました。
PA用のSRスピーカーを使って、畳の部屋で計測した結果が、
中音域(人間の声の高さくらい)がフラットになっている
・・・・というは、なんとも面白い、というか、興味深い結果ですね。
つぎは(B) 「CSP10のツイーターの横の穴を塞いだ状態」での測定
普通の音楽を試聴した限りでは、(個人的には)、こっちのほうが、聞きやすい音になるのですが、補正のグラフは、ほとんど変わらないですね。
ツイーターの横の穴(バスレフの穴? 音を増強させるための穴?)が合っても無くても、大差なし(補正結果の違いは誤差範囲)なのかもしれません。
音は変わるんだけどな・・・。
最後に。。。自宅を離れて、「とある公共施設の会議室」での測定
畳の部屋でフラットになるのなら、鉄筋コンクリートの建物の「小さな会議室」では、どうなるか?
興味津々で、補正を掛けてみた結果が、これ!
まさか、こんな「凄い」結果になろうとは。。。。
床や壁なの反響が大きいので、低音域を落とす方向に補正が掛かるのは、すぐに理解出来ます。
でも、高音域を強める方向に、補正が掛かるとは。。。想定外でした。
−*−
「AUTO EQ」で、遊んでみると、結構面白いです。
イコライザーで補正を掛けて、周波数特性を「フラット」にしたからと言って、音が良くなるとは限らない。
「補正を掛けないとき」=「周波数特性がフラットでは無いとき」のほうが、綺麗な音で聞こえることも多々あります。
難しいことにこだわらず、いろいろ試して遊ぶのが一番かな・・・・という気がします。
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《 測定だけでも便利 》
この DEQ2496は、周波数特性のグラフをみるだけでも、便利です。
「どの周波数の音が強いか?」「強く出ている耳ざわりな音は、何Hzくらいか?」なんてのは、素人には、簡単にはわからない。
そういうのを、確認することが出来るというだけでも、「もっていて便利」と感じたりします。
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