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        | 手軽に買える測定器(テスター・温度計など) | 作成日:2014/04/13、最終改訂日:2019/12/02 |  
        | §測定-41:MS2108A(MASTECK)クランプメーター
 
 交流/直流対応の「クランプメーター」です。
 
 電流を計るときには、回路を切断して、回路の中にテスターを組み込む必要があるのですが、そうすると、テスターに大電流を流さなければならない。(特に、起動時の電流がやばい)
 
 でも、クランプ式のテスター(電流計)なら、回路を切断しなくてもよいので、安心です。
 
 これが3千円台で買える! 感覚的には「安い」
 本当に必要なのか? と聞かれれば、必要とは言えない。
 でも、こういうものは、「必要では無くても買う!!」
 
 
   〔Amazon〕MASTECH オートレンジ デジタル クランプメーター 交流/直流対応 MS2108A 英語説明書PDF
 
 マニュアルは中国語のみ。
 マニュアルが無くても、初歩的なことは分かるけど、すべての機能を使い込もうとすると、難しいような気がする。
 
 ネット上に、非公式の 英語マニュアル(pdf) が載ってました。
 
 
   アマゾンの説明文によると・・・
 
 ・DC電流:40A/400A(±2.0%)
 ・AC電流:40A/400A(±2.0%)
 ・DC電圧:~1000V(±0.7〜0.8%)
 ・AC電圧:~750V(±0.8〜1%)
 ・抵抗
 ・静電容量
 ・周波数:10Hz~10KHz±1.5%
 ・周波数:10Hz~1KHz±1.5%(電流クランプから)
 ・デューティ比:0.1%~99%±3.0%
 
 ・表示値ホールド機能
 ・平均値検波測定機能(AC AおよびAC Vレンジ)
 ・オートゼロ機能
 ・最大値測定機能
 ・最小値測定機能
 
 ・・・とありますが、非公式の英語マニュアルをみると
 
 ・DC電流:40A/400A ±(2.0% of rdg + 6digits)
 ・AC電流:40A/400A ±(2.0% of rdg + 6digits)
 ・DC電圧:400mV ±(1% of rdg + 2digits)
 ・DC電圧:4V/40V/400V ±(0.7% of rdg + 2digits)
 ・DC電圧:1000V ±(0.8% of rdg + 2digits)
 ・AC電圧:4V/40V/400V ±(0.8% of rdg + 3digits)
 ・AC電圧:750V ±(1% of rdg + 4digits)
 
 という具合に、詳しく書いてあります。 (2019.12.02 加筆)
 非公式の 英語マニュアル(pdf) を参照してください。
 
 
 400Aを超える大電流を計測する用途には、(MS2108など)別の機種にすべきでしょうけど、
 「太い電線は使わない」=「そもそも、そんな大電流は扱わない」人にとっては、直流電流も交流電流も計測できる、この MS2108Aが良さそうです。
 
 
   電池は、単4の乾電池が3本。
 
 9Vの四角い電池(006P)よりも安いので、電源を入れっぱなしにして、電池が無くなっても、たいして痛くは無い。
 
 電流の最大値・最小値が計測できるので、10分とか20分とか、「電源を入れっぱなしにして置く」という使い方も出来そう。
 
 「オートパワーオフ機能」がついているので、無用な電池の消耗を防ぐというメリットがある反面、1時間とか2時間とか、長時間、電源を入れっぱなしにして、最大値・最小値を計測するという使い方が制約されるデメリットもある。
 
 ■ 交流電流を測定してみる
 
 電圧値や抵抗値は、普通のテスターと同じように、リード線を使って計測します。
 
 電流は、クランプを使って計測します。
 クランプ方式は、回路を切断しなくてもよいのと、起動時の大電流の心配をしなくてもいいメリットがあります。
 
 
   まずは、古い保温器(100V、90W)の電流(交流電流)を計ってみましょう。
 
 100vコンセントから、延長コードにつなぎます。
 
 延長コードの2本線のうち、片方を切断して、テスターを組み込みます(交流電流が測定できる EXCEL DT9205A)。
 もう片方の線を、MS2108A のクランプに挟みます。
 
 そして、延長コードに、ワットチェッカー(TAP-TST5/SANWA SUPPLY)を取り付け、電流モードにします。
 
 本来なら、すべて同じ値になるハズなのですが・・・・・
 
 
   MS2108A(クランプ式)は、0.84A、
 TAP-TST5 は、0.88A
 DT8205A は、0.93A
 になりました。
 
 MS2108A では、電線の位置を動かしても、数値はほとんど変化しませんでした。
 どこでもいいので、電線をクランプで挟んでおけば、良いのだろうと思います。
 
 40Aまで計れるレンジなので、1A以下の小さな電流は、少なめの値が表示されるようです。
 
 
   クランプ式は、クランプの中を通過する電流を測定する(電流→磁界→電流)ので、電線を2回通せば、電流の値が2倍になる。 コイルのようにぐるぐる巻けば、電流の値はどんどん増える・・・・はずである。 やってみましょう!
 
 電線を流れる電流を0.9Aだとしたら・・・・・だいたい、あってますね。
 いい加減な巻き付け方をしていますが、意外と(かなり)正確な気がします。
 電線を真っ直ぐに通しても、クランプの回りに巻いても、数値はほとんど変わってないです。
 
 
 クランプに挟んだ電線で、周波数を計ってみましょう。
 
 
   一番最初、0Hzの表示になるので、「もしかして、壊れてる?」とかで、少し焦りましたが、
 電流値が少ないと、周波数がカウントされずに、「0Hz」になるようです。
 
 クランプ方式の「電流測定モード」で周波数を計るときは、おおむね、5A以上の電流が必要なようです。
 (コードを使った「電圧測定モード」であれば、いつでも正常な周波数が、表示されます。)
 
 
 
   今度は、保温器を2台に増やしてみましょう。
 
 
   MS2108A(クランプ式)は、1.74A、
 TAP-TST5 は、1.76A
 DT8205A は、1.86A
 になりました。
 
 
 ■ 直流電流を測定してみる
 
 今度は、直流電流の測定です。
 
 どうやって、「それ相応の直流電流」を流すか??
 正しい値がでるのかどうかは、怪しいですが、とりあえず、これが簡単です。
 
 
   クルマのバッテリー(中古)に、DC−ACインバーターで交流100V(60Hzの矩形波)を作る。
 そして、交流100V(60Hzの矩形波)に、保温器をつなぐ。
 
 
   とりあえず、交流100V側(DC−ACインバータの2次側)は、こんな感じ。
 (右下のDC12.14Vは、バッテリー電圧)
 
 そして、テスター類を、DC−ACインバータの一次側につなぎ替える。
 
 
   とりあえず、DC−ACインバーターの電源OFFの状態。
 
 バッテリーの電圧は、12.74V(無負荷電圧)
 4年使った、中古バッテリーだけど、充電直後なので、いたって元気である。
 
 ------------------------↓2017.10.19追加
 無負荷(電流値がゼロ)の時でも、クランプメーターの数値は「0.000A」にならないようです。
 クランクメーターを置く場所によって、数値が変わります。
 測定前に「REL」ボタンを押して、表示を「0.000A」にしておく必要がるようです。
 ------------------------↑2017.10.19追加
 
 
 
   DC−ACインバーターのスイッチを入れる。
 保温器が、だんだんと暖かくなってくる。
 
 そして、どんどん、バッテリーの電圧が下がってくる。
 カウントダウンしているような感じ。
 
 回路を切断して入れている DT9205A の数値が、DC7.66A
 クランプ式の MS2108A の数値が 0.774A
 どっちが正しいのか、わからないけど、だいたい、似たような数字になってる。
 
 
 
   試しに、黄色の「SEL」ボタンを押してみる。
 というか、「SEL」ボタンを押すと、「直流電流」モードと「交流電流」モードに切り替わる。
 ちなみに、交流電流モードにすると、表示が「AC1.08A」になった。
 どうでもいい数字です。
 
 最初は交流電流になるので、直流電流を計る時には「SEL」ボタンを必要がある。
 直流電流を計りたいときに、電源を入れたあと、「SEL」ボタンを押し忘れると、交流電流の数値(実際には、どうでもいい数字)になるので、「なんか変だな」ということになる。
 
 こまめに電源を落とすのはいいとして、もう一度電源投入の時は、交流電流モードになってるので、「SEL」ボタンを忘れずに! みたいな感じ。
 
 
 
          
            
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                  | 《  やっぱり、クランプ式は安心できる  》 
 
 テスターで、電流を計るのは、非常に勇気がいる。
 DT9205A は、20Aまでの電流を測定できることになっているのだが・・・・
 本当に、20Aも、電流を流せるのだろうか?
 
 どう考えても、「やばそう」である。
 
 その点、クランプ式は安心ですね。
 
 
 
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