趣味のオーディオ実験室

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CDレシーバー U585BT(kenwood) 作成日:2013/06/20、最終改訂日:2013/06/29

§U585-11:U585BT(KENWOOD)
〜DSPのONとOFF

カーステレオ(?)用の1DINコンポ U585BT です。
公式ページを見ると、
 「MP3/WMA/AAC/WAV対応 CD/USB/SD/BTレシーバー U585BT」
と書いてあります。

今回のテーマは、U585BT を含めた、一般的なカーオーディオってのは、
  入力ソースと音をそのまま、フラットな音(ピュアな音)として、出力している
ものなのか? それとも
  入力ソースの音を、クルマの特性に適した音に補正して、出力している
ものなのか?

という話題です。


なにはともあれ、スピーカー端子から出てくる音は、「フラットな音」なのか「補正された音」なのかを、確認しておく必要がありそうです。


電源を入れ(12V,ACC共にオフの状態から、電源投入。これですべて初期値になります)
SDカードに「ピンクノイズ」を入れておいて、再生します。
ピンクノイズは、mp3 と wav の両方を用意します。


U585BT は、イコライザ(トーンコントロール)を含めた「補正を完全に切る」設定も出来るし、「複雑な音場補正」も出来る。
(複雑な音場補正が出来れば、「補正を完全に切り離す」ことも出来て当然ですね)

ならば、両方を試してみればいい・・・・ ということになります。


「Audio Control」を選び、次の操作・・・




ここで、DSPを Through(スルー)にすると、DSPというか、音の補正が有効になります。


ちなみに、電源投入時(初期設定値、ディフォルト値)は、「DSP:Through」になっています。

試しに、DSPをバイパスさせてには、Bypass(バイパス)に設定します。


こうすれば、イコライザー(トーンコントロール)等のない、フラットな状態(入力ソースがそのまま増幅されて、スピーカー端子や、RCAプリアウト端子から出力される)になります。


ここで、注意すべきなのは(思いっきり、ハマリました!)
「Pro Setting」の中の「Sound Enhancements」の中の「Supreme」という項目が、初期設定(ディフォルト)でONになっているので、バックアップ電源(黄色い線)をつないだ時にには、これがONになっていることです。




マニュアルには、
Supreme(サブリーム)機能とは、音声を圧縮したことで失われた情報や、波形を元に戻すことで、自然な音を再現します。圧縮された音楽に効果的です。
と書かれていますが、人によっては「余計なお世話」かもしれません。


−*−

では、早速比較してましょう。


まずは、SDカードに入っている WAVE形式の ピンクノイズ PinkNoise_long.wav


初期設定値は、DSPが Through(ON)で、SupremeもONになっています。
まったく圧縮されていないので、補正無用な WAVE ファイルなので、10kHz以上が、盛り上がっています。


Supreme をOFにすると、ほとんどフラットに近づきます。
まだ、微妙な補正が掛かっているのかも。


DSP:OFFというか、音の補正を切り離したときの、「ピンクノイズ」です。
DSP:Bypass(OFF)は、こんな感じです。



これが、フラットな状態です。
RCAケーブルに100円均一の安物を使い、5mくらいケーブルを引き回した上、さらに、DEQ2496の手前にミキサーをいれて測定しているので、特性がフラットでなく、崩れているようですが、ご愛敬ということで、ご容赦ください。


では、補正が必要な MP3形式(圧縮データ)の「ピンクノイズ」では、どうなるでしょう?


まずは、SDカードに入っている WAVE形式の ピンクノイズ PinkNoise_long.wav


初期設定値は、DSPが Through(ON)で、SupremeもONになっています。
MP3のピンクノイズを再生させると、こんな感じになります。
WAVE ファイルと同様に、10kHz以上が、少し盛り上がっています。

12.5kHz以上が落ちているのは、MP3での圧縮だからでしょうか。


Supreme をOFにすると、ほとんどフラットに近づきます。


DSP:OFFというか、音の補正を切り離したとき。
DSP:Bypass(OFF)は、こんな感じです。


CSP15(15インチ/38cmのスピーカー)で聞いた場合、良くも悪くも、「Supreme:ON」と、「DSP:
Bypass」の音の違いは出てきますので、いろいろと聞き比べて、最適値を探していけばよいと思います。


−*−

DSPを使ったとき(初期状態)にあった設定項目が、DSP使わないときには表示できなくなります。



DSPを「Through」にすると、
かなりいろんな設定ができます。(次ページ以降で確認)




DSPを「Bypass」にすると、
左右の音量差(バランス)と、前後の音量差(フェーダー)の項目だけしか、設定できなくなります。
エコライザーも含めて、音質を変えるすべての調整ができなくなります。


−*−

ちなみに、U585BT には、こんなのを表示させることも出来ます。


ここで問題です。

DSPの補正前(入力ソース)の周波数特性のグラフだと思いますか?
DSPの補正後(スピーカー出力)の周波数特性のグラフだと思いますか?

どっちでしょうか? 答えは、ひみつ!

《  デジタルDSPを積んだ、レシーバー  》


 昔に比べ、クルマのCDレシーバーは、安くなってきました。
これだけ高性能な U585BT が2万円以下で買えるなんて、昔では考えられない。

 それにしても、現行のDSPを積んだレシーバーは、このU585BTと、去年発売になったI-K700くらいでしょうか。
(U585BTとI-K700では、DSPの項目は、ほとんど同じもののようです)

最近は、カーナビ(オーディオ機能を含む)が普及してきているので、レシーバー単体の需要は少ないのだろうし、これからも増えないので、これ以上に本格的な機種が、これから出てくるかどうか? といえば、なんともいえないですね。



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