| イメージ・スキャナ(フラットベッド・スキャナ) | 
        作成日:2015/06/13、最終改訂日:2015/06/13 | 
       
      
         
        §SCAN-34: GT-F670(EPSON)の読み取り精度を測ってみる 
 
        エプソンのフラットベッドスキャナ(公式ページでは、「卓上型カラーイメージスキャナ」)の中古品が複数台、手元にある。 
         
        スキャナの読み取り精度には、「個体差」があるわけで、(実際の長さに対して)誤差の大きい個体もあれば、誤差の少ない個体もあるはず。 
         
        ならば、出来るだけ、誤差の小さい(正確な)個体を使いたい。 
         
        そこで、どれくらい誤差や個体差があるのか、実際に、調べて見ることにした。 
         
         	
         
        100円ショップ「ダイソー」で工作マットを購入。これをスキャナで読み取ります。 
         
         	
           
        「10mm毎の方眼」になってます。 
        「・」は2mm毎に付いています。 
         
        これを、1200dpi(1200ドット/インチ)で読み取ります。 
        そして、読み取ったあと、ペイントソフト(PaintGraphic2)で、25%に縮小。 
        実質的に、300dpi(300ドット/インチ)になります。 
         
        300dot/inch = 300dot/25.4mm = 11.811dot/mm。 
        つまり、1mm が、約11.811ドットになります。 
         
         	
           
        工作マットの「左上」を裏返しにして、スキャナの「矢印」の位置に合わせます。 
        そして、1200dpi と 300dpi でスキャンします。 
         
        6台のスキャナで、工作マットを読み取り、読み取った画像の白い部分(線と点)に「色」を付けて、その他の部分を透明にします。 
         
        そして、6台分の画像を重ね合わせれば、誤差とか個体差がわかるはずです。 
         
         
        ■6台の個体差を調べてみる 
         
        
         	
           
        そして、6台分の画像を、「左上を基準にして」重ね合わせます。 
        (これは、重ね合わせたモノを縮小した画像) 
         
        左上を基準にして重ね合わせているので、左上の部分はぴったし重なります。 
        6台の個体、それぞれに誤差があるので、右へ行けば行くほど、下へ行けば行くほど、誤差が大きくなり、画像の重なりにズレが出てくるはずです。 
         
         	
         
        まずは、基準になる「左上」 
        6台分を、ズレないように合わせます。 
         
        右へ行くほどズレがでてきます。 
         
         	
         
        これが「右上」。 
        方眼(縦線)の間隔が10mm、点の間隔が2mmにないます。 
         
        「赤色」に対して、「深緑」は2mm。「紺色」は4mmズレてます。 
        ズレは、2.5%、5%くらいかな。 
         
         	
         
        これが「左下」。 
        縦方向には、ほとんどズレが生じていません。 
        あえて言えば「赤」が、少し短くなってます。 
         
         	
         
        これが「右下」。 
        左上を基準にして重ね合わせてますので、縦方向・横方向の「個体差」が右下に出てきます。 
         
        縦方向は、約300mmに対して、「赤」が0.5mm(0.2%くらい)ほど、短くなってます。その他の5台は、ほぼ一致しています。 
         
        横方向は、大きくズレている個体がありますね。 
         
        さて、ここで問題です。 ズレている個体の型番は??? 
         
        EPSON GT-S600の仕様 (EPSON>製品情報) 
        EPSON GT-F670 の仕様(EPSON>製品情報) 
        EPSON GT-S630の仕様 (EPSON>製品情報) 
         
         	
           
        右下の部分を拡大。 
         
        横方向に大きくズレているのは、古い GT-S600 の2台でした。 
        一番大きくズレたのは、蒼白い個体(GT-F670が発売された後の GT-S600)。 
         
        横方向に「ほぼ完全一致」しているのが、【1】-【2】と、【3】-【4】でした。 
        縦方向に完全一致してるのが、【3】-【4】-【5】-【6】でした。 
         
        縦方向、横方向共に「完全一致」に近いのが、【3】-【4】 
        【4】が新しい GT-S630で、【3】が GT-F670 の3台あるうちの1台。 
         
        【1】と【2】は、GT-F670 でした。 
         
         
        ■ 横方向(左右)の伸びは、均等なのか? 
         
        このスキャナ、読み込まれた画像を調べてみると、 
          全般的に「横方向に伸びる傾向」 
        があるようです。 
         
        横方向(左右)に、均一的に伸びるのであれば、取り込んだ画像に補正を掛けてやればよいのですが、少し厄介な問題があるようです。 
         
        一番、誤差が多かった GT-S600(古いタイプ)で、見てみましょう。 
         
           	
           
        これは、一番精度が悪かった GT-S600(2台のうちの1台)を使って、「工作マット」の方眼を、300dpi と 1200dpi で読み込んだもの。 (縮小しています) 
         
        300dpi で読み込んだものが「紫」で、それを(ペイントソフトで)180度回転させて重ね合わせたのが「緑」です。 
         
        結論から言うと、横方向(左右方向)では、 
          左側(矢印)付近は正確に読みとれる 
          右側に行けば、右側に行くほど、間延びする。  
        ということのようです。 
         
        確認してみましょう。 
         
         
         	
           
        まずは「左上」。 
         
        「紺」は、 1200dpi で取り込んだもの(25%の縮小) 
        「紫」は、 300dpi で取り込んだもの。 
        「緑」は、「紫」を、「画像の真ん中を中心として 180度回転」させたもの。 
         
        横方向は、「紺」と「緑」にズレが生じてます。 
        縦横比で見ると、「紫(正規)」が正方形に近く、「緑(回転)」は横伸びしています。 
         
         
           	
           
        次は「左右真ん中の上」。 
         
        「紺」「紫」「緑」が、ほぼ完全一致。 
         
        横方向に関しては、画像の真ん中で回転させているので、「紫」と「緑」は、当然の如く一致するはず。 
         
        縦方向に関しては「紫(正規)」と「緑(回転)」が、ほぼ一致してるので、「縦方向は正確」であることがわかります。 
         
           	
         
        最後に「左上」 
        反転させている(実際の位置は「左下」)「緑」が、正方形に近い。 
        正規画像の「紫」は、横方向伸びています。 
         
        一番精度の悪かった GT-S600 で、こんな感じなので、他の個体(GT-S630, GT-F670)は、これよりも左右のズレ(というか誤差)は、少なくなります。 
         
         
        ・・・・というわけで、このシリーズの、スキャナを使うときには、出来るだけ「誤差の無い個体」を選び、「左上」(矢印がついている場所)を基準にしてスキャンした方が良さそうです。 
         
         
    
        
        
          
            
               
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                  《  誤差の少ない「個体」を選び出す  》 
                   
                  手元に、スキャナが6台ありますが、実際には6台も使わない。 
                   
                  中古品を買い込んで、誤差の少ない個体を選び、誤差の多いを捨てよう・・・・とか考えて、実験していたら、こんな結果になった。 
                   
                  GT-F670 の蓋は、丸っこくて、使いづらい(どうせ、フィルムスキャンは使わない)ので、GT-S600の蓋を外して転用。 
                  GT-F670に取り付けると、ちょうど良さそうです。 
                   
                  精度の悪かった GT-S600は、蓋だけを使って、本体は引退。 
                   
                  GT-S600の精度が良かったらどうしよう! とか思っていましたが、精度が悪かったので、迷うこと無く「決断」出来ます。 
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