2-12:MP860
トランセンドのMP3プレーヤー(デジタル・オーディオ・プレーヤー、MP860です。
すでに、後続機種のMP870が出てますので、「旧型」になります。
トランセンドといえば、パソコンのメモリーや、SDカードなどが有名なメーカですが、MP3プレーヤもあります。
大きさは、ふつうのよりも、大きめ。
シリコンカバーが標準添付しているのが特徴。
モノラルスピーカーが付いています。
■サイズ:94mm x 50mm x 12mm
■重量:62g
■ディスプレイ:2.4インチTFT液晶ディスプレイ
■解像度:240x320
■音楽フォーマット:MP3 WMA WMA-DRM10 OGG FLAC WAV
■動画フォーマット:MPEG4 SP(Xvid) FLV
■FMラジオ:87.5〜108 MHz/76〜90 MHz
■再生可能時間:音楽再生:連続22時間/動画再生:連続4時間
このMP3プレーヤーの特徴(というより問題点)として、
・曲の始まり 0.2秒くらいは、音が出ない。 曲の頭にブランクのない曲は、曲の頭が切れる。
・曲の演奏中に、「1曲戻し(左側三角2つ)のボタンを押すと、演奏中の曲の頭に戻らず、1つ前の曲の頭に戻る。
というのがあります。(ファームバージョン 1.01)
後続機種のMP870で、この問題が改善しているかどうかは、不明です。
「SRS WOW」と「SRS WOW HD」に対応しています。
SRSの各パラメータを変更すると、「SRSカスタム」になります。
−*−
さて、MP860には、モノラルのスピーカーが付いています。
このMP860のスピーカー(モノラル)の音を、マイクで拾って、パワーアンプ経由で、スピーカーから音を出すと、どういう音になるのか?
MP860のスピーカーの音を直接聞くと、ダイナミックレンジの極めて低い、オマケで付いている「申し訳程度」の「極めて、しょぼい音」にしか聞こえません。
でも、実際には、意外と。。。というか、想像したよりも「マトモな音」が出ています。
試してみましょう。
MP860で「ピンクノイズ」を再生して、ミキサー経由で、EPQ2496で確認します。
まずは、MP860のヘッドフォン端子からの信号をチェック。
周波数特性がフラットな「ピンクノイズ」が再生されています。
では、MP860の「小型スピーカー(おまけスピーカー)」からの音をマイクで拾うと、どうなるか?
マイクは、クラッシックプロのダイナミックマイク「CM5S」を使います(980円)。
マイクを上から吊して、MP860と接触しないようにして、音を拾います。
グリルボールを付けた時が(A)、外してマイクとスピーカーを近づけた時が(B)になります。
そして、マイクで拾った音を,大きなスピーカーで再生します。
実用に耐えるかどうか??
まずは(A)での測定。
MP860のボリュームを最大にして、ピンクノイズ(周波数が平坦)を出し、スピーカーの音を、CM5Sで拾います。
中低音があまり拾われず、10kHzあたりに山があります。
この高音域のピークが、正規の音なのか、震動による倍音成分なのか、よくわかりません。
音を出さない時。ノイズを拾ってます。というか、ノイズだけの状態。
こんどは(B)での測定。
グリルボールを外して、スピーカーとマイクの距離が近い分、中音域をしっかりと拾ってます。
100Hz以下は、音を殆ど拾ってません(もともと音が出ていないのか,マイクが悪いのか、スピーカーとマイクの距離が遠すぎるのかは、不明です)が、150Hzから3kHzあたりまでは、ほとんどフラットな周波数特性になってます。
音を出さない時のノイズ成分は、こんな感じです。
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実際、(B)の音を、クラシックプロの10インチスピーカーCSP10で再生してみましたが、「それなりの音」が出てきます。
内蔵小型スピーカーの音(音量最大)を直接聞くと、「申し訳程度の悪い音」にしか聞こえませんし、しかも「音が割れている」ように聞こえます。
しかし、それをマイクで拾って、「それなりの大きさのスピーカー」(こちらではCSP10を使用)で再生してみると・・・・これが、案外「マトモな音」として、聞こえてくるから不思議です。
最大出力でも、「音は割れていない」ように聞こえます。
少し低音が足りないかな? という程度で、それなりにボリュームを上げても、それなりに、鑑賞に堪えるような音になります。
残響の多く(低音域は不要)、プアな音響設備しか無い、体育館とかだと、MP860を含め、MP3プレーヤーの小型内蔵スピーカーからの音楽を、体育館備え付けのマイクで拾って、体育館全体にMP3のスピーカーの音を出す・・・・というの、アリかもしません。
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【追加実験】コンデンサマイクで、拾ってみると・・・・
MP860で音楽を鳴らして、ベリンガーの「測定用コンデンサーマイク」で拾ってみたのが下の結果です。
MP860の内蔵小型スピーカーから20Hzの低音も出ているのがわかります。
コンデンサーマイクの方が、周波数特性は良いのですが、わざわざ、こんな面倒なことをする人はいないでしょう。
この周波数特性のグラフは、ピンクノイズではなく、音楽再生時です。
MP860の内蔵小型スピーカーから低音域が出ていることがわかります。
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《 ヘッドフォンの音をマイクで拾うと・・・ 》
今回は、MP3プレーヤー内蔵の小型スピーカーの音をマイクで拾ってみました。 「それなりの音」であることがわかりました。
では、ヘッドフォンの音を、マイクで拾って、大型スピーカーから音を出すと、どんなふうに聞こえるのでしょうか?
ヘッドフォンは、「より聞きやすい音」を再生するでしょうし、
マイクは「より聞きやすい音」になるように、音を拾うでしょう。
そうすると、ヘッドフォンとマイクを通した音は、原音よりも、「より聞きやすい音」になる???
実際、ヘッドフォンからの音をマイクで拾った音が、どんな音になるのか、試してみると、面白いです。
ヘッドフォンから拾った音が、MP860のスピーカーから拾った音よりも、悪い音だったとしたら....
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